足場には「朝顔」と呼ばれるものがあります。
名前は聴いたことがあるものの具体的にどんな用途があるのか
意味がわからない人もいるのではないでしょうか。
朝顔の種類も含め、わかりやすく解説していきたいと思います。
安全に作業を行ううえで朝顔は必ず必要になるものです。
足場の朝顔について、知らない人もぜひ参考にしてみてくださいね。
足場の朝顔とは
足場の朝顔といえば、道路などに面した工事現場で使うものです。
正式な名称は「防護柵」になり、法律用語としても知られています。
行政提出書類などを提出するときも問題なく使える正式な用語でもあります。
そもそも朝顔の用途は、足場がはみ出した状態のままで設置されているときに
足場から物が落下し通行人に危害を加えないために行う「防護柵」のことをいいます。
朝顔の名前の由来にもなっているように、上向きに傾斜にした姿が花咲くように
見えることでつけられた名前になります。
朝顔は労働安全衛生法によって設置が義務付けられているものです。
第537条によると、事業者は作業のために物体が落下することで危険を及ぼす恐れがあるときは
防網の設置を設けて、立ち入り区域を設定するなど当該の
危険を防止する措置を行うなどの決まりがあります。朝顔は安全に工事を進めるためにも
周囲の住民や通りすがりの人にケガをさせないためにも、重要な役割を担っているものになるのです。
足場の朝顔の設置基準は
地上から10m以上の足場では1段以上の朝顔が必要になりますし
20m以上の場合は2段以上の取り付け義務があります。
また突き出し部分の長さも意識する必要があり、水平方向に2mは確保しておきたいものです。
あまりに角度をつけてしまうと、突き出し不足になってしまいます。
20度以上は必要であると認識しておきましょう。なかには道路の占有などの兼ね合いで
水平面に2mの距離が確保できないこともあります。
角度をもともとよりもきつくしてしまった場合は、せり出し不足がおきますし
せり出し幅が守られていないことになってしまいます。
具体的には、電線がついていて所定の高さに設置できないケースもあります。
この場合は、それよりも低い位置に設置するなどの“努力義務”をしなくてはいけなくなります。
朝顔自体はキットになっているものも出ており、組み立てるだけで簡単に作れるものもあります。
昔の朝顔は重量感もあり使いにくいものでしたが
アルミなどを用いて軽量素材の金属でできるものもあります。
そのため高い場所での作業もそこまで大きな負担になりません。
他にも朝顔の設置基準として、朝顔を支持している斜材を取り付けた位置の内側には
壁つなぎを設けるなどの決まりもあります。
取り付けに伴い、圧縮力や引張力がかかる位置には、水平方向の全スパンに行わなくてはいけません。
また万能板を設置するのに、隙間なく全面に張るなどの条件も求められています。
足場の朝顔はこうした条件があってこそ、工事の作業中の安全を確保することにもつながっているのです。
足場の朝顔は事前申請が必要なことも
足場の朝顔を設置する場合で、市町村の管理している道路にはみ出してしまうこともあります。
本来であれば範囲内に収まるのが一番なのですが、どうしてもはみ出して
設計しなくてはいけないケースも考えられます。
その場合、事前に市区町村の「道路占有許可」の申請が必要になります。
同時に警察に行き「道路使用許可」をとっていないと足場の作業はできません。
基本的には足場のはみ出しはしてはいけないのですが、やむを得ないと認められたときだけ
出幅などの許可基準内で利用することもできます。
ただし上限が定められていること、できるだけはみ出しが最小限であるなどの決まりもあります。
申請したから必ず通るのではなく、道路事情による計画の変更を求められることもありますし
許可されないなどの問題もあります。
道路を利用するときは「占有領」が発生するので気を付けてください。
足場の朝顔を組み立てるときの流れは
朝顔を足場に組み立てるときの、具体的な流れについて紹介します。
まずは、直線部のフレームの金具を組み立てる必要があります。
次に、コーナー部分の隅フレーム受けを組み立てます。
さらに、妻側部のフレーム受け金具の組み立てを行い、直線部の朝顔の組み立てを行います。
妻側部やコーナー部の朝顔を組み立てて完了です。
足場の朝顔の種類によっても組み立て方法には違いがあります。
そのため、最適な方法で慎重に作業を行うようにしてください。
まとめ
足場の朝顔は、工事を安全に進めるためにもとても重要なものです。
朝顔があるからこそ、工事中の落下物が通りすがりの人に当たることもなく
万が一の場合に備えることもできます。
足場の朝顔にも正しい設置の方法などの決まりもあります。
足場の朝顔を上手にいかして作業を滞りなく行えるようにしたいものですね。
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